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森の中の山葡萄

03

素材について

Material

山葡萄について

めでたき天然素材、山葡萄

Blessing of nature

編み籠に必要なものは全てが自然界の中にあり、それらの素材は全て土から生まれ、土に還る。そのサイクルにはひとつとして無駄や浪費がない。

Yama-Bikoは自然界の中でもとりわけ力強く生きる山葡萄の強度と柔軟性、希少性に着目しました。また、山葡萄の蔓は他の植生に巻きつき命を奪うため、自然の環境の中で適切な共生を果たすには人間による伐採が必要な植物でもあります。

私たちはこの邪魔者とされる山葡萄に新たな価値を与えアップサイクルを生み出すことを考えました。

採取の様子
網代編み模様

01

Chapter

Histories

ヒトと山葡萄

​日本人と山葡萄

Life with wild grapes

山葡萄はブドウ科の落葉蔓性植物で、主にアジアの標高の高い地域に自生しています。

古い時代から蔓は籠や草履、縄などの生活用具の原料として活用され、赤紫色の果実は染料として利用されたほか、生食や加熱調理して食料としても重宝され、無駄なく使える天然素材として、常に日本人の暮らしとの中にある素材です。

採取した山葡萄の樹皮
網代編み模様

02

Chapter

Harvesting

山葡萄の採取

山葡萄の採取について

Enter the woods

一年のうちのわずか2、3週間の梅雨の時期。わたしたちは奥山という、熊や猪などの野生動物が多く生息する人を寄せ付けないような山中に入り逞しく生長する山葡萄の蔓を採取します。木々を掻き分け、切り立った斜面や川を越え、野生動物とそれらを狩猟する道具が仕掛けられた罠などを避け、良質な山葡萄の蔓を求めて道なき道を越えて進みます。

木に登り採取

山葡萄の採取

Harvesting the vines

伐採する際は、ただ根元から切り倒すのではなく、数十メートル以上の高さに登り、他の木に絡みついている山葡萄の蔓を丁寧にほぐして可能な限り上の方で切ります。

採取する蔓の大きさ(直径)には一定の基準を設け、基準値に満たない蔓は翌年以降に先延ばすこと、また、採取した以上の山葡萄を新たに植えることで種を枯渇させない工夫を行っています。

山葡萄が纏う皮

The treasure underneath ‘Onigawa’

山葡萄の蔓はその幹に何層もの硬い皮を纏います。

鬼皮(おにがわ)と呼ばれる樹皮表面の皮だけを、丁寧に取り除き、その下の薄く裂けやすい薄皮を丁寧に剥がすことで籠の原料を得ることができます。

採取する場所により皮の特徴が異なり、それぞれを使い分けることで異なる雰囲気の籠を作ることも可能です。

樹皮を丁寧に剥がす
山葡萄によって締め付けられて枯れた木
網代編み模様

03

Chapter

Forest Conservation

植生環境の保全

山葡萄と植生環境の保全

Maintain our wild forest.

蔓性植物の山葡萄は自立ができず太い蔓で他の樹木に巻きつきながら広範囲に広がり生長して他の木々や植林をした木などに巻きつき締めつけて枯らしてしまうので、林業に携わる者たちからは山の生態系を崩す厄介者として扱われています。

山葡萄と他の木々が共生を果たしながら持続的な森林環境を保つためには人の手による適度な伐採が必要です。

わたしたちは山の森林環境の保全と、この厄介者の山葡萄に新たな価値を与えてアップサイクルを生み出すことも目的のひとつとして山葡萄を原料として選んでいます。

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